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事業者さま自身で補助金申請を行う際の流れをこの記事にまとめました。見落としがちな注意点も記載しておりますので、ぜひ最後までお読み頂ければと思います。

申請の流れは、補助金の種類によって若干違うところもありますが、概ね同じです。

下の図は、事業再構築補助金での一連の流れを図にしたものです。

補助金事務局が行う審査は補助金によって違いがあります。

「事業計画書での書面のみ」や「事業計画書+面接も行う」「事業計画書+プレゼンテーション審査を行う」といった様々なものがあり、補助額が多い補助金ほど審査が慎重になる傾向にあります。

審査を通過し、無事採択された後も作業がございます。見積書の取得や実績報告書の作成。補助金事務局によっては非常に細かいところまで指摘されるため、地味に骨の折れる作業です。

また、入金後も4年間程度、事業化報告をする必要があり多年度に渡って書類を作成する必要がございます。

事業再構築補助金の流れ

0、補助金を探す

まず使える補助金、使いたい補助金を探してください。見つけなければ始まりません。

効率よく探すには、一覧表をざっくり見た後、あたりをつけた後に要領(ルールブック)で詳細を見ていくことをオススメしております。

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1、申請要件を満たしているか確認

①補助金ごと、かつ枠ごとに申請するための要件がございます。その要件を満たしていなければ申請することができません。

最近は国策として賃上げを推し進めており、ほぼ必ずと言ってよいほど「給与支給総額を年平均成長率2%以上増加」というような要件が入っております。

例えば「事業再構築補助金」の「成長分野進出枠(通常類型)」では以下のような要件がございます。

① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
② 事業計画について金融機関等又は認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。ただし、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受け
る場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること。【金融機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年平均成長率 4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率 4.0%以上増加する見込みの事業
計画を策定すること【付加価値額要件】
④ 以下(a)(b)のいずれかを満たすこと。(a)を選択する場合は、(a1)
(a2)の両方を満たすこと。
(a1)事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること【給与総額増加要件】
(a2)取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以
上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
(b)現在の主たる事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の
新規事業を実施すること、又は地域における基幹大企業が撤退することによ
り、市町村内総生産の 10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施
しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の 10%以上を占めるこ

2、GビズIDプライムアカウントの作成

補助金の申請は、基本的にインターネット上で行います。そのインターネットサイトを利用するにはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。

アカウント発行には1週間程度の時間が掛かるため前もってご準備ください。

3、書類の準備

補助金によっても異なりますが、概ね、事業計画書には、過去2年間と新規事業を実施後3〜5年の売上推移や営業利益推移などの記載が必要なため、「2年分のBSやPL」と「新規事業で購入するものの見積書」などが必要になってきます。

見積書は申請時には添付不要の場合が多いのですが、交付申請時には添付必須です。金額の大きい補助金の場合、3社の相見積もりが必要なことが多く、事前の準備をオススメしております。

4、事業計画書の作成

補助金を獲得するための一番重要なポイントです。審査員が見て説得力を感じる事業計画書を作成してください。

事業計画書の作成枚数は補助金によって違いますが、事業再構築補助金の場合、「補助金額が1,500万円以内の場合10ページ以内」「それ以上の場合15ページ以内」必要です。

ページ数は以内とされていますが、数百万、数千万円の投資を判断するもののため、事業計画書はなるべく詳細に書く必要があります。そのため必然的に書く枚数は最大枚数であり最小枚数となります。

また要件の一つとして「付加価値額を年平均成長率3.0%~5.0%以上増加」させることが必要なため、この要件も達成できるような事業計画を立てることが必須です。

付加価値額営業利益+人件費+減価償却費

5、認定経営革新等支援認定機関の確認書を取得する

補助金によっては、申請時に「認定経営革新等支援機関による確認書」が必要です。また、金融機関から融資を受ける場合は「金融機関による確認書」が合わせて必要となります。

なお、当社は認定経営革新等支援機関でございますので、事業者さまに確認書を発行することが可能です。

6、審査

まずは審査を突破しなければ補助金を獲得することができません。

まず事業計画書による書類審査。補助金の種類によって、二次審査の「面接」や「プレゼンテーション」がございます。

採択率は補助金によって変わります。また回数によっても採択率が大きく変動します。

例えば事業再構築補助金であれば、このように採択率が変動しています。

第12回26.5%
第11回26.5%
第10回48.1%
第9回45.5%
第8回51.3%
第7回51.2%
第6回50.0%
第5回46.2%
第4回44.8%
第3回44.4%
第2回44.9%
第1回36.1%

7、採択発表、交付決定

審査を経て採択、不採択(合格、不合格)が発表されます。採択、不採択の結果は公式ホームページで確認することができます。無事採択されたら、相見積もり書を用意して交付申請手続きをします。

採択されても、申請した金額の全額が補助されるとは限りません。交付申請時に事務局が、事業計画書の経費の内容が適切か精査を行います。ここで適切だと事務局に認められなければその分は減額されてしまいます。

8、説明会への参加

補助金の種類によっては、事務局が実施する説明会への参加が必要です。

参加しない場合は、自動的に採択が無効となってしまうため注意が必要です。

9、事業の実施、実績報告書の作成

実際に建物や機械装置、システムなどを購入し、計画を立てた新規事業を実施していきます。その後、新規事業の実績を、実績報告書へまとめ、補助金事務局へ提出します。

10、確定検査、補助金支給

補助金事務局が、実績報告書をもとに新規事業や購入した物などに問題がないか確認します。ここで、問題ないと判断されて、始めて補助金が振り込まれます

すぐには入金されない

補助金に申請し、採択されたからといってすぐに入金されるわけではありません。

補助金の入金の前に事業投資を行う必要があり、その資金は自己資金で賄うか、もしくは金融機関から借入を行う必要があります。入金までには半年から1年半程度掛かるため注意が必要です。

すぐには機械装置などは購入できない

事業再構築補助金に限らず、補助金は、交付決定が出るまでは購入することができません。実際に購入できるようになるのは交付決定後で、申請の締切日からおおよそ2、3か月先になります。

申請した金額から減額される場合がある

採択されても、申請した金額全額が補助されるとは限りません。交付申請時に事務局が、事業計画書の経費の内容が適切か精査を行います。ここで適切だと事務局が認められなければその分は減額されます。

どのような事業も採択されるわけではありません。例えばこのような事業の場合、取り消しとなるため注意が必要です。

①具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業

②不動産賃貸(寮を含む)、駐車場経営、暗号資産のマイニング等、実質的な労働を伴わない事業又は専ら資産運用的性格の強い事業

③建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業(中小企業等とリース会社が共同申請を行い、リース会社が機械装置又はシステムを購入する場合は、これに当たりません。詳細は7.補助対象経費(3)リース会社との共同申請についてを参照してください。)

投稿者プロフィール

尼崎 耕司
尼崎 耕司中小企業診断士・MBA(経営管理修士)
中小製造業、東証プライム上場オークション会社、産業振興系行政機関、人事組織コンサルティングファームを経験。法政大学にて経営管理修士(MBA)を取得後、中小企業診断士として独立開業。

東証プライム上場企業で研鑽したマーケティング戦略と施策実行、人事組織コンサルティングファームで培った人事組織領域を得意する。東証プライム上場企業にて事業企画を任されていた際は、3年間で営業利益を2倍(数億円規模)にまで伸ばすことに成功。

幹部研修、マネジメント研修、新入社員研修といった研修や人事制度構築、マーケティング戦略策定、実効性の高い現場施策から経営戦略レベルまでトータルした経営支援を行っている。

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