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ものづくり補助金も省力化投資補助金(一般型)も、どちらもマシニングセンターやNC機器といった機械装置や工作機械、基幹システムなどのシステム構築に利用することができます。補助額や補助率も近く、使い勝手も似ています。

一体どちらの補助金を利用した方がよいのか迷われている方が多くいらっしゃるのではないかと思います。

選ぶ際の参考となるよう各項目を比較致しましたので、ぜひご一読頂ければと思います。

ものづくり補助金 公式ホームページ

公式ホームページhttps://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
要領(ルールブック)https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html

省力化投資補助金(一般型) 公式ホームページ

公式ホームページhttps://shoryokuka.smrj.go.jp/
要領(ルールブック)https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/download/

先に結論から申し上げますと、ものづくり補助金と省力化投資補助金の両方に申請できる場合は、採択率も高く、補助額も高い省力化投資補助金のご利用がオススメです。

まず前提として、各補助金にはお題目があり、事業者さまにどのようなことを実現してもらいたいか、補助金によって趣旨・要件が違います。「新規事業・新製品・新サービスなどを行うのであれば、ものづくり補助金」、「業務効率化や省力化を行うのであれば、省力化投資補助金」が、補助金の趣旨・要件に合います。

新規事業で事業計画を練っていくと、実は、業務効率化や省力化も達成できる内容だった。業務効率化で事業計画を練っていくと、実は、新商品・新サービスにもつながるものだった。このように両方の補助金の趣旨・要件に合うというケースは意外と多くあります。

両方に申請できる場合は、省力化投資補助金での申請をオススメさせて頂いているのですが、その理由を、いくつかの項目を比較しながら見ていこうと思います。

直近の採択率は省力化投資補助金の方が圧倒的に高い

ものづくり補助金35%前後
省力化投資補助金60~70%弱

補助額上限も省力化投資補助金の方が高い

ものづくり補助金■製品・サービス高付加価値化枠
従業員数5人以下・・・750万円
6 ~20 人・・・・・1,000万円
21~50 人・・・・・1,500万円
51人 以上・・・・・2,500万円
■グローバル枠
3,000万円
省力化投資補助金従業員数5人以下・・750万円(1,000万円)
6 ~20人・・・・・1,500万円(2,000万円)
21 ~50 人・・・・3,000万円(4,000万円)
51~100人・・・・5,000万円(6,000万円)
101人 以上・・・・8,000万円(1億円)
※括弧内は大幅賃上げ特例を行った場合

補助金とは、国や地方自治体が、事業者さまに対し、このようなことを実現して欲しいと誘導するための仕組みです。

各補助金にはお題目があり、事業者さまにどのようなことを実現してもらいたいかは、補助金によって違ってきます。

趣旨に沿った事業計画書を作成しなければ審査に落ちてしまいますので、購入しようとしている機械装置や機器、システムが、どの補助金の趣旨に沿うのか考えていく必要がございます。

それぞれの補助金の趣旨を、要領(ルールブック)から抜粋致しましたのでご参考としてください。

ものづくり補助金の趣旨

お題目新製品・新サービス開発、海外販路開拓

革新的な新製品・新サービス開発海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等に要する経費の一部を補助する事業(以下「本補助事業」という。)を行うことにより、中小企業者等の生産性向上を促進し経済活性化を実現することを目的とします。

省力化投資補助金の趣旨

お題目業務効率化や省力化の促進

中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等が IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した専用設備※を導入するための事業費等の経費の一部を補助することにより、省力化投資を促進して中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るとともに、賃上げにつなげることを目的とします。

補助率はほぼ変わりませんが、補助額は会社規模が大きくなるほど省力化投資補助金の方が高額となっていきます。従業員21~50人の規模で1,500万円の差、51人以上の規模で2,500万円の差、100人以上の規模で5,500万円の差と、従業員数が多くなるほど、非常に大きく差が開いていきます。

対象経費もほぼ同じで、基本的に違う部分は「原材料費」だけです。

基本要件もほぼ同じですが若干の違いがあります。付加価値額向上と労働生産性向上という要件が違います。

一般的な感覚で、事業計画を作成すれば、どちらも問題なくクリアできる要件ですので、そこまで気にする必要はございません。

もう一つ、賃金に関する項目に違いがあります。ここは見ていく必要がございます。

ほぼ同じ要件ですが若干違いがあります。ものづくり補助金の方は「従業員及び役員それぞれ」という記載があります。そのため、ものづくり補助金の方が、より細かく計算をして事業計画書を書いていく必要があります。

2つ下の項目にて「給与支給総額、最低賃金水準の要件比較」をしておりますので、詳細はそちらをお読みいただければと思います。

ものづくり補助金省力化投資補助金
補助額上限■製品・サービス高付加価値化枠
従業員数5人以下・・・750万円
6 ~20 人・・・・・1,000万円
21~50 人・・・・・1,500万円
51人 以上・・・・・2,500万円
■グローバル枠
3,000万円
従業員数5人以下・・750万円(1,000万円)
6 ~20人・・・・・1,500万円(2,000万円)
21 ~50 人・・・・3,000万円(4,000万円)
51~100人・・・・5,000万円(6,000万円)
101人 以上・・・・8,000万円(1億円)
※括弧内は大幅賃上げ特例を行った場合
補助率中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3■補助金額 1,500 万円まで
中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3
補助金額1,500 万円を超える部分
1/3
対象経費機械装置・システム構築費
運搬費
技術導入費
知的財産権等関連経費
外注費
専門家経費
クラウドサービス利用費
原材料費
海外旅費(グローバル枠のみ)
通訳・翻訳費(グローバル枠のみ)
広告宣伝・販売促進費(グローバル枠のみ)
機械装置・システム構築費
運搬費
技術導入費
知的財産権等関連経費
外注費
専門家経費
クラウドサービス利用費
基本要件・付加価値額を年平均成長率 3.0%以上増加
・給与支給総額の年平均成長率を 2.0%増加
・事業所内最低賃金を、最低賃金より 30 円以上高い水準にする
・(従業員数21人以上の場合)「両立支援のひろば」で一般事業主行動計画を策定、公表
・グローバル枠は上記に加えて複数要件あり
・労働生産性を平均成長率4.0%以上向上
・給与支給総額の年平均成長率を 2.0%増加
又は、
1 人当たり給与支給総額を最低賃金の直近 5 年間の年平均成長率以上増加
・事業所内最低賃金を最低賃金より 30 円以上高い水準にする
・(従業員数21人以上の場合)「両立支援のひろば」で一般事業主行動計画を策定・公表

省力化投資補助金の採択率は、60%~70%弱。一方、ものづくり補助金の採択率は、これまで50〜60%で推移してきていたのですが、直近4回は35%前後と低い水準になっており、難易度が上がっております。

どちらの補助金も予算額は決まっており(詳細な予算額は開示されておりません)、採択件数もある程度決まっております。

予算に対して申請件数が多ければ、その分、採択率は低くなります。採択率が高い省力化投資補助金は、予算に対して申請件数が少ないのかもしれません。

採択率の直近の傾向

ものづくり補助金省力化投資補助金
35%前後60~70%弱

採択率一覧表

ものづくり補助金省力化投資補助金
募集回採択率採択数/申請数募集回採択率採択数/申請数
20次
採択発表日
2025年10月27日
34.4%784/2,2764次
申請締切
2025年11月26日
19次32.2%1,623/5,0253次66.8%1,854/2,775
18次36.4%1,827/5,0152次60.9%707/1,160
17次29.4%185/6291次68.5%1,240/1,809
16次48.8%2,738/5,608
15次50.2%2,861/5,694
14次50.8%2,470/4,865
13次58.3%1,903/3,261
12次59.0%1,885/3,200
11次59.8%2,786/4,668
10次61.2%2,584/4,224
9次62.6%2,223/3,552
8次60.0%2,753/4,584
7次50.4%2,729/5,414
6次47.7%2,326/4,875
5次44.6%2,291/5,139
4次31.2%3,132/10,041
3次38.1%2,637/6,923
2次57.0%3,267/5,721
1次62.5%1,429/2,287

給与支給総額の要件

ほぼ同じ要件ですが若干違いがあります。ものづくり補助金の方は「従業員及び役員それぞれ」という記載があります。そのため、従業員の方と役員の方それぞれ細かく計算をして、事業計画書を書いていく必要があります。

給与支給総額の定義には役員報酬も含まれているため、以前のものづくり補助金では、役員報酬を多めに設定することで要件をクリアするといった対応も可能でした。

しかし現在はそれぞれ設定する必要があるため、適切に従業員へ還元することが求められる形へと変わっております。

なお、省力化投資補助金は「従業員及び役員それぞれ」という記載はありませんが、審査項目で、「「労働生産性」「給与支給総額」「1人当たり給与支給総額」等の算出根拠に妥当性があるか。」という記載があるため、従業員にも適切に還元しているかどうかは、見られていると考えた方がよいです。

ものづくり補助金

従業員及び役員それぞれの給与支給総額の年平均成長率を 2.0%以上増加
又は
従業員及び役員それぞれの 1 人あたり給与支給総額の年平均成長率を事業実施都道府県における最低賃金の直近 5 年間の年平均成長率以上増加

省力化投資補助金

給与支給総額の年平均成長率+2.0%以上
又は
1 人当たり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近 5 年間の年平均成長率以上増加

給与支給総額の定義(ものづくり補助金での定義)

・従業員や役員に支払う給料、賃金、賞与
・各種手当(残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族(扶養)手当、住宅手当等の給与所得とされるもの)

最低賃金水準の増加要件

文章は若干違いますが、どちらの補助金も同じ内容です。

ものづくり補助金

事業所内最低賃金を、毎年、事業実施都道府県における最低賃金より 30 円以上高い水準にすること。

省力化投資補助金

事業場内最低賃金を、毎年、事業実施都道府県における最低賃金+30 円以上の水準とする

省力化投資補助金の方が、事業計画書の枚数の制限をしていないため、審査員を説得するための十分な量を書くことができます。一方で、ものづくり補助金は、ワード形式だとおおよそ10枚程度のしか書くことができません(現在Webサイト内に、直接文章を打ち込む方式となっています)

審査員に分かりやすく、理解しやすく、説得力を持たせて事業計画書を書いていくと、どうしても事業計画書の枚数が増えていきます(10枚に至らないのであれば、審査員を説得するための情報が不足している可能性が高いです。)。

採択されるために、説得力を持たせた事業計画書を作成していくことを考えると、こちらの点でも省力化投資補助金の方がよいと言えます。

対象経費はほぼ変わりませんが、補助額は会社規模が大きくなるほど省力化投資補助金の方が高額になっていくこと。採択率が全く違うこと。

省力化投資補助金の方が良さそうだと思われた方多いのではないかと思います。

新規事業・新製品・新サービスを行う場合でも、実は業務効率化・省力化を実現できる内容だったということがございます。ものづくり補助金を検討している場合でも、省力化投資補助金に申請できる内容にならないか、一度ご検討されることをオススメいたします。

当社は、ものづくり補助金、省力化投資補助金両方のご支援実績も多くございます。

同一の事業者さまでかつ同一の事業計画で、事業計画書をブラッシュアップし、両方の補助金に申請したケースも多くございます。何かご相談ごとがございましたら、ぜひお気軽にお声がけ下さい。

■MBA品質の天照経営研究所 ものづくり補助金 申請サポート

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投稿者プロフィール

尼崎 耕司
尼崎 耕司中小企業診断士・MBA(経営管理修士)
中小製造業、東証プライム上場オークション会社、産業振興系行政機関、人事組織コンサルティングファームを経験。法政大学にて経営管理修士(MBA)を取得後、中小企業診断士として独立開業。

東証プライム上場企業で研鑽したマーケティング戦略と施策実行、人事組織コンサルティングファームで培った人事組織領域を得意する。東証プライム上場企業にて事業企画を任されていた際は、3年間で営業利益を2倍(数億円規模)にまで伸ばすことに成功。

幹部研修、マネジメント研修、新入社員研修といった研修や人事制度構築、マーケティング戦略策定、実効性の高い現場施策から経営戦略レベルまでトータルした経営支援を行っている。

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