「5.31」

この数字が何だと思われますでしょうか?この数字、実は従業員300人未満企業の大卒求人倍率(2023年卒)です。同年の従業員5,000人以上企業の倍率は「0.37」で、300人未満企業と比べると非常に大きな違いがあります。

なお、ここ10年で記録した最高倍率は、コロナ禍以前2019年3月卒の「9.91」です。これは新卒採用の倍率ですが、中途採用も同じような状況にあると想像は難くありません。これほどまでに中小企業の採用は厳しい状況に置かれています。

2020年に新型コロナウイルスが蔓延しだし、採用を控える企業が多く出たことにより倍率は「9.91」から「5.31」まで大きく下がりました。しかし、これは一時的なもので、コロナ禍が落ち着くにつれ元の数字に戻ることが考えられます。

それどころか、人口の減少、生産年齢の減少、少子高齢化、若年齢層の減少とますます厳しい状況になるのではないかと思います。

企業が生き残るためには、競合他社よりも「採用力」を高める必要があります。そのためには、現在の状況を把握する必要があります。まずは採用を取り巻く環境をマクロの視点から見ていきたいと思います。

(次回に続く)

投稿者プロフィール

尼崎 耕司
尼崎 耕司中小企業診断士・MBA(経営管理修士)
中小製造業、東証プライム上場オークション会社、産業振興系行政機関、人事組織コンサルティングファームを経験。法政大学にて経営管理修士(MBA)を取得後、中小企業診断士として独立開業。

東証プライム上場企業で研鑽したマーケティング戦略と施策実行、人事組織コンサルティングファームで培った人事組織領域を得意する。東証プライム上場企業にて事業企画を任されていた際は、3年間で営業利益を2倍(数億円規模)にまで伸ばすことに成功。

幹部研修、マネジメント研修、新入社員研修といった研修や人事制度構築、マーケティング戦略策定、実効性の高い現場施策から経営戦略レベルまでトータルした経営支援を行っている。

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